ティール組織の理解・導入が現状の経営環境の厳しさを打破できる理由

組織論

経済の世界的な低成長の継続、また国内では少子高齢化による人口減や技術の変化や顧客の価値観の速い変化など経営を取り巻く環境の変化に迅速に対応できずに業績が低迷している企業が少なくありません。
企業を存続させ、持続的に成長し、経営目的を達成するために企業組織を時代にあったものに適応させて行く必要があります。そこで、従来のピラミッド(ヒエラルキー)型組織とは異なり、今の経営環境を乗り切り、持続的な成長を促し、現状の困難を打破できるティール組織について解説します。

ティール組織とは

ティール組織とは、一つの生命体のように行動する組織のことで、一般的に多くの企業で採用されている経営トップや組織の長からの指示・命令で受動的に業務を遂行するピラミッド(ヒエラルキー)型の構造を持たない組織形態です。ティール組織は、以下の3つの重要な要素を備えています。

1.自主経営(セルフ・マネジメント)

組織の長からの指示・命令を受けて行動するのではなく、社員の一人ひとりが自分の判断で行動し、成果をあげるために行動する組織

2.全体性(ホールネス)

能力や個性など組織内の個人の持つ特性全体を尊重し、受け入れることを重視する組織

3.存在目的(エボリューショナリー・パーパス)

組織全体が何のために存在し、将来どの方向に向かうのかを常に追求し、進化していける組織

なお、ティール組織の概念は、アメリカのコンサルティング会社のマッキンゼー社で長く組織変革プロジェクトに携わったフレデリック・ラルーが2014年に執筆した著書(日本語版は2018年の発刊)で提唱した非常に新しい組織論です。

ティール組織が現在の経営環境に必要で最適な理由

ティール組織は、前述の3つの要素を含むことから、現在の難しい経営環境下においても組織の力を最大限に発揮できます。

1. 変化が速く複雑で不確実・不透明な経営環境への対応が必要

VUCA(ブーカ)という用語が現代の企業経営環境に大きな影響を与え、組織が解決しなければならない課題として注目されています。VUCAとは、「Volatility:変動性」「Uncertainty:不確実性」「Complexity:複雑性」「Ambiguity:曖昧性」を意味する英語から作られた造語です。
現代は、技術や顧客の価値観が変化するスピードは速く、また、政治・社会・経済などの先行きの不確実性・不透明性は高く、そして、これらに加えてグローバル化の進展やデジタル化の進展によって地球規模でさまざまな情報・価値観が相互に絡み合うことで複雑さが増しています。

このような経営環境下では組織を正しい方向に引っ張り、組織のパフォーマンスを高めることは、いくら有能な経営トップや組織の長であっても、1人、または少数では偏った価値観や一面的な見方しかできず、間違った方針で大きなミスリードを犯す可能性が高くなります。
そのため、指示・命令で動くピラミッド型組織では、臨機応変で効果的な組織的対応はできません。できたとしても対応が遅くなるため競争に勝てず、利益を出して成長していくことが困難を極めます。
このような現代の経営環境で成果を上げるには、多様な価値観、能力を持っている部下の特性・資質を把握し、部下の多様性を生かし、成果を上げながら組織が成長するようにしていく必要があります。

2.VUCAの時代にはダイバーシティ経営が必要

VUCAのほか、経済産業省が推奨するダイバーシティ経営やアジリティ、サーバントリーダーなど、企業経営で注目されているキーワードも、ティール組織であれば実現できます。
ダイバーシティ経営とは、多様な人材を活用し、その価値観で市場ニーズやリスクへの対応力を高め、持続的に成長していくための経営手法です。
アジリティとは、変化の速い経営環境に即応するために必要な経営や組織運営ができる機敏な能力のことです。
サーバントリーダーシップとは、一方的な指示・命令ではなく、部下の能力を肯定し、信じ、信頼関係を築くことで組織を引っ張るリーダーのことです。

ティール組織を導入して成功するために必要な2つのポイント

1.ティール組織は手法ではなくパラダイムである

ティール組織は、一定の要件を備えることは必要ですが、ティール組織と呼ばれる組織を作れば、それで成功というわけではありません。ティール組織は、他の組織論と異なり、組織の考え方・捉え方を支配する概念・認識(パラダイム)です。
そのため、ティール組織を形として導入し、やり方だけを真似ても成功しません。ティール組織の本質を理解して、自社にあったティール組織にすることが必要です。

2.ティール組織は理想的でピラミッド型組織に勝るものではない

ティール組織は、ピラミッド型組織やその他の既存の組織形態を否定し、どのような場合にも理想的・絶対的に正しい組織形態ではありません。業務内容や災害などでの緊急時の対応では、ピラミッド型組織や軍隊型のような絶対的な上意下達が必要なケースが生じます。
ティール組織を目的として導入するのではなく、手段として経営に生かすことが重要です。そのため、ティール組織でない組織がティール組織に存在することも可能です。

ティール組織でのフラット化の注意点

セルフマネジメントによる組織維持が難しい。

ティール組織は各社員のセルフマネジメントに任せる組織形態です。セルフマネジメントができている状態であれば、組織は円滑に進みます。

しかし、できない社員が増えてくると同時に、企業全体の生産性が下がります。社員のセルフマネジメントの能力次第で、組織が成り立たなくなる可能性があるのです。

プロジェクトの進捗状況の把握がしずらい

ティール組織には、上司から部下といった明確なトップダウンでの指示系統が存在しません。問題が発生した際やサポートの必要といった時に、適切な判断をするタイミングが少なくなります。

社員の稼働時間、売上状況、顧客との連携等の記録を、誰もが確認できる仕組みを作ることが重要になります。

リスク管理が困難になる

先ほどと同様に組織内での指示系統が存在しないため、部下から上司へと明確な承認プロセスも存在しません。代わりに、社員全員が話し合い、プロジェクト方向性を決定していきます。

何か問題が発生した場合は、すぐにその内容を社内で共有し、情報の共有やメンバーのサポートで補い全員で課題解決に備えましょう。

成功事例

世界最大のトマト加工会社ザ・モーニング・スター・カンパニー

ザ・モーニング・スター・カンパニーでは、全社員がマネージャーの役割をもっています。

社員各自が自分のミッションを設定し、行動計画を作成して合意書に明記します。合意書の内容は全社員間で共有。

報酬は、合意書の内容や達成度を多面的に評価します。全社員がマネージャーであるため役職や昇進は一切ありません。

役職が存在しないため、必要な業務に関しては、上司の決裁を受ける必要がなく自身の判断で行動できます。そのため主体性の強化にともなう組織全体の生産性向上につながります。

参考:ティール組織の事例紹介!ティール組織を実現した企業の事例について

オランダの非営利在宅ケア組織ビュートゾルフ

ビュートゾルフは約800チームで1万人程度の看護師や介護士たちが活躍している組織です。

以前は患者や看護師同士での確認事項が多く、離職する人は多かったのですが、ある最低限の決まりごとをすることでティール組織となり急成長しました。

そのうちの1つに、利用者へのケア、看護・介護職の採用・教育、財務等すべてに、裁量と責任が与えられるという項目が入っています。

ビュートソルフは専用アプリを独自開発して患者情報の管理やメンバーの勤怠管理を誰もが可視化できる状態にしています。

それだけではなく、日誌に記載された作業内容と時間を元に、各メンバーの生産性が自動算出され、公表されるシステムを構築しています。

参考:オランダで急成長を遂げるティール組織、Buurtzorgの驚きの組織運営

Mierunoでティール組織へ

多くの企業が注目しているティール組織について、その概要、ティール組織が求められている背景・理由、およびティール組織を導入するときの注意点について解説しました。

いきなり組織をティール組織に切り替えることは困難です。まずは社内の情報共有や社内評価をチーム全体で可視化ができる状態にしましょう。

そこで、ご紹介したいツールがMierunoです。日々の日報をスタンプで多面的評価することで、社内情報の可視化に繋がります。

それだけではなく、組織の一体感やビジョンの浸透にも役立ち、自走する組織風土に変えていくクラウドサービスです。組織全体をティール組織に変化させるために効果的なツールです。

現在の組織・運営に問題があると思える場合、導入し成功すれば大きな飛躍が期待できます。

バリュー評価で正しい評価を実現
Mierunoでは、「目標管理での人事評価の課題」「定性評価の運用しづらい問題」「人事評価を実施した際の業務負担」といった人事評価の様々な課題解決の実現に取り組んでいます。 もし今、人事評価に課題を感じているのであれば、ぜひ一緒に改善を考えてみませんか?
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