大学時代は大真面目に車でドリフトをすることに人生を捧げ、一度きりの人生なのだから明日死んでも良いように毎日を楽しんでいました。大学4年生になると重い腰を上げ、冬にようやく就職活動をスタートしたものの、特に入社したい会社も「これがやりたい！」ということもありませんでした。ドリフトのように人生を捧げることができる場所はないのかと探していたところ、「我が生涯に悔いなしと言えるような人生を共に語り合える仲間と仕事がしたい」というホームページの言葉が目に飛び込んできたのです。自分の心に響くものを感じ「この会社に賭けてみよう！」と決意しました。

私の仕事内容は特殊鋼の提案営業です。特殊鋼を営業する上で大事なことは他社と如何に差別化を図るか。そして、ユーザーにとって欠かせない存在になることです。そのために日々心がけているのが、試行錯誤しながら自分なりの営業スタイルを確立させること。見積もりを行う時も注文を受ける時も“ユーザーは何を求めているのか”、また受注を出来なかった時は“何が足りていなかったのか”を考え、ユーザーへ再度アタックをします。ただ漠然と、受注と見積もりを繰り返すのではただのロボット。ユーザーの困っている事をとことん調べ上げ、ユーザーにとって唯一無二の存在になることを目指しています。

これまでは苦戦の連続です。英語が得意ではなかったのですが仕入先は海外。イギリスやシンガポール、台湾への出張もありましたね。何度も挫折を繰り返しましたが、その度に「出来るか出来ないかではなく、やるんだ」と自分に言い聞かせ、足を止めずに走り続けました。準備をすること3年、周りからのサポートもあり、日本初のジェット旅客機「MRJ」向けの材料を受注することができ、航空機業界への参入が一気に進み始めたのです。現在ではイギリスやロシア、アメリカの製鋼メーカーと直接契約。販売先はMRJに使用される装備品メーカーや次世代ジェットエンジンのコアパーツ部品を供給する企業にまで至ります。長い道のりでしたが挑戦を続けた結果、今があります。

これまで色んな事に挑戦できたのは「自由な発想をできる人が革新を起こせる環境」があったからこそ。さらに「誇れるものが自分にはあるのか」という上司の言葉に後押しされたからです。今の自分があるのは、何事も考え抜く上司、思いやりのある仲間のおかげですね。決められた仕事をこなすだけでは一流になれない。「挑戦する舞台を作るのは自分次第だ」という想いを胸に、挫けそうになりながらも前に進み続けた結果、未来へ続く道もできました。
これからも自分の信じた道を突き進み、目指すは日本の航空機業界でNo.1の鋼材供給企業。日本では欠かせない会社へ成長させることはもちろんですが、自分自身も常に新たな分野への挑戦を続け、進化し続けていきたいです。